買い物のたびに両手がふさがり、保冷バッグは肩に食い込み、帰り道がちょっとした修行になる──
そんな不満を解消してくれたのが、今回レビューする「リュック型クーラーバッグ」です。
メーカーから実物をいただき、普段の買い出しやアウトドアで実際に使ってみました。
20Lの大容量なのに軽く、保冷・保温の性能も十分。この記事では、見た目や使い心地、収納力、実際の保冷力まで、手に取って確かめた内容を詳しくお伝えします。
リュック型クーラーバッグの概要と特徴まとめ
今回レビューするリュック型クーラーバッグは、容量20Lの大きめサイズながら、日常の買い出しからアウトドアまで幅広く使えるのが特徴です。
カラーは落ち着いたグレーで、性別やシーンを選ばず持ちやすいデザイン。
価格は2,890円と手頃で、まずここに「このサイズでこの値段?」という驚きがあります。
本体はオックスフォード生地で作られており、外側はしっかりめ、内側はPEVAという防水性の高い素材を使用しています。
クーラーバッグの内側は結露や食材の水分がどうしても付着しますが、PEVAは水を弾きやすく、汚れも布で軽く拭くだけで落とせるため、日常使いでも扱いがラクです。(←ココ超重要笑)
また、ドリンクがこぼれたり、氷が溶けて水が溜まってしまっても外に染み出さない構造になっています。
収納スペースはメインがとにかく大きく、ワインボトル、ジュース缶、弁当、肉・魚・野菜など、スーパーで買うものはほぼすべて入る懐の深さがあります。
さらに両サイドとフロントにポケットがあり、おしぼり、カトラリー、保冷剤、ペットボトルなどを小分けに収納しやすいのも便利なポイント。
買い出しだけでなく、ピクニック・キャンプ・運動会にも使い回せる万能性があります。
また、リュック型という点が最大の特徴で、通常のトート型クーラーバッグと違い、両手が空くのが大きなメリットですね。
野菜のまとめ買いで袋が増える日や、子どもと一緒に出かける時でも、背負うだけで安定して持ち運べます。荷物を抱えるストレスが減るので、体感としてかなりラク!
保冷・保温の両対応で、冷たい飲み物だけでなく温かいものを持ち運ぶ時にも便利。季節を問わず使えるため、コスパ面でも優秀なアイテムです。

実物レビュー:開封してわかった質感・造り

箱を開けてまず感じたのは、「値段のわりにしっかりしている」という安心感でした。
2,890円という価格帯だと、生地がペラペラだったり、縫製が甘くて糸が飛び出していたりすることがありますが、このクーラーバッグは外側のオックスフォード生地が想像以上に厚めで、手触りもハリがあります。
表面は軽く撥水してくれそうな質感で、ちょっとした雨なら気にせず背負っていけそうです。
チャック部分もしっかりしていて、開閉がスムーズ。安いバッグにありがちな「引っかかる」「歪む」といったストレスがありません。
持ち手やリュックの肩ベルトはクッション性のある素材で作られており、荷物が重くなっても肩に食い込みにくい作りです。
実際に背負ってみると、20Lの大きさだけにそれなりの容量感はありますが、背中へのフィット感が良く、背負ったまま歩いても安定しています。
内側を覗くと、PEVA素材のシルバーの層がしっかり貼られており、縫い目の処理も丁寧。防水性が高いと書かれていましたが、手触りからもそれがわかります。
内側に変な匂いがするバッグもありますが、この製品は化学的な強い匂いがなく、最初から気持ちよく使い始められました。
保冷剤を入れる場所の自由度もあり、お弁当や飲み物を入れてもレイアウトしやすい構造です。
背面や底面も意外としっかりした造りで、地面に置いたときにも形が崩れにくいのが良いところ。物をたっぷり入れてもへたれない印象があります。
底が柔らかすぎると中身が偏って背負いにくくなりますが、このバッグは底の強度が程よく、荷物を入れても重心が下に集まりすぎず、背負ったときのバランスが取りやすいと感じました。
使う前の段階で「これは雑に扱っても問題なさそうだな」という安心感があるのは、日常使いには大きな強み。買い出しやアウトドアなど、使うシーンを選ばず気軽に持ち出せる仕上がりです。

実際に使ってみた:保冷・保温力の検証
実際に食材を入れて使ってみて、まず驚いたのが「思ったより温度が長持ちする」という点でした。
20Lという大きめ容量なので、内部の空気量が多くなりがちですが、そのわりに温度の逃げ方がゆっくり。
保冷剤とペットボトルを一緒に入れて、気温15〜18度の昼間に3時間ほど持ち歩いたところ、飲み物はほぼ“冷えたまま”の温度を維持していました。
スーパーの冷蔵食品、肉・魚なども、家に着く頃にはまだ十分冷たい状態で、保冷バッグとしての役割はしっかり果たしてくれます。
また、温かいお弁当を持ち運ぶときにも使ってみましたが、こちらも保温力は必要十分。
お昼に買った弁当を1〜2時間後に食べても、まだほんのり温かさが残っており、冷えすぎないのがちょうどいい感じでした。
PEVA素材の内側がしっかり密閉されているため、温度の変化が緩やかに抑えられる印象です。

実験として、冷たい缶飲料と常温の野菜を一緒に入れて歩いたところ、中で結露して水滴が多く出ましたが、バッグの外側へ染み出すことはありませんでした。
内側素材の防水性がここでしっかり仕事をしてくれています。帰宅後はキッチンペーパーでサッと拭くだけで掃除が終わる手軽さも良いところです。
背負った状態での使い心地も大きなメリットでした。
特に買い出しでは、中身が重くなっても手で持つタイプの保冷バッグと違い、体の中心で重さを支えられるので、疲れにくいのが圧倒的。
坂道の多い地域で歩いてみても、荷物が揺れてバランスを崩すようなことがなく、リュック型ならではの安定感を感じます。
趣味の長時間ドライブでも活躍しました。保冷剤を追加すれば、サンドイッチやドリンクがしっかり冷えたまま持ち運べ、炎天下での短時間の移動も問題なし。
真夏の炎天下で長時間放置するような過酷な環境はさすがに難しいですが、通常のレジャー用途なら頼りになる性能だと感じました。

収納力と使いやすさ:具体的な容量レビュー
20Lという数字だけ見ると「そこそこ入るんだろうな」程度かもしれませんが、実際に使ってみると想像以上でした。
まず、メインの収納スペースは縦に長く、深さがしっかりあるため、ワインボトルや1.5Lペットボトルも余裕で縦に入ります。
試しに、500mlペットボトルを縦向きに並べてみたところ、10本ほど入ってまだ上にスペースが残るほど(メインに8本、両サイドに1本ずつ)。スーパーでのまとめ買いにも心強い収納量です。


食材を入れる場面でも、弁当・肉・野菜・冷凍食品を一度にまとめて持ち帰ることができ、「あ、まだこんなに入るのか」と何度も感じました。
特に野菜は形がバラバラで嵩張りやすいのですが、このバッグは奥行きと高さが十分あるため、無理なく収まってくれます。
買い出しだけでなく、キャンプでのお菓子や飲み物の大量持ち運びでも役に立つと思いました!
さらに便利なのが、サイドポケットとフロントポケット。

サイドにはペットボトルや折りたたみ傘、カトラリー、箸、おしぼりを入れておけるので、メインを開けずに取り出せるのが嬉しいポイントです。
フロントポケットは平たい形なので、保冷剤・紙ナプキン・レシート・小物類を仕分けておくのにちょうど良く、実際に使ってみると「ここにポケットがあるだけで全体が格段に使いやすくなるな」と感じました。
背負った際の感覚も、収納力の実用性をさらに引き上げています。通常、大容量のバッグは中身が偏ったり、荷物が重くなったときにバランスが悪くなりがちですが、このバッグは底面がしっかりとしているため、食材をたっぷり入れても重心が安定したまま。
歩いていて荷物が左右に揺れにくく、買い物の帰り道のストレスがかなり減りました。
また、開口部が大きく開くので、出し入れが本当にラク。幅広のジップが上部全体を覆っているため、大きなお弁当も引っ掛からずスッと入ります。地味ですが、毎日使うものだからこそ大事な使いやすさです。
総じて、「20L=数字以上の余裕」という印象。一般的な保冷バッグでは物足りない人や、家族分の食材をまとめて運びたい人にはちょうど良いサイズ感と言えます。

デメリット・気になった点
どんなアイテムでも「ここは惜しいな」と感じる部分は出てきます。このクーラーバッグも全体としてはかなり優秀ですが、実際に使ってみて気づいた点を正直にまとめておきます。
まず、色がグレー一択というところ。落ち着いた色で汎用性は高いのですが、明るめのグレーなので汚れが少し目立ちやすい印象があります。
買い出しやアウトドアで地面に置いた時、砂や土の跡がうっすら残ることがあり、「濃い色の選択肢もあればいいのに」と感じました。
ただ、生地そのものは汚れが落ちやすいため、濡れ布巾で拭けばほとんど取れるのは救いです。
次に、肩紐のクッション性。
普段の買い物なら問題ないのですが、20Lフルに近い容量を使って“重いものばかり”を入れると、1時間以上の長時間移動では少し肩に負荷が出ます。
そこまで極端に気になるわけではないものの、登山リュックのような分厚いパッドとは違うので、本格的な長距離移動を前提にすると少し物足りないかもしれません。
それから、メイン収納の形が縦長であることも人によっては好みが分かれるポイントです。
深さがあるぶんワインボトルなどが入れやすい一方で、小さな荷物が底に溜まりやすく、必要なものを取り出す時に少し探すことがありました。
対策として、小さな仕切り袋を入れておくと使いやすくなります。
最後に、本当に強烈な保冷力を求める人には向きません。
ソフトタイプであり、断熱材も厚手のハードクーラーほどではないため、真夏の屋外で長時間放置する運用には限界があります。
ただ、買い出し・ピクニック・半日程度のレジャー用途なら十分すぎる性能です。
こうした細かいポイントはあるものの、「値段を考えるとむしろ頑張っている」と感じるもので、大きな欠点ではありません。
むしろ日常かアウトドアか、どういう使い方をするかによって“相性”が変わるタイプといえます。

このクーラーバッグが向いている人・向いていない人
レビューを書いていて強く感じたのは、このクーラーバッグは“日常でガンガン使うタイプの人”ほど価値を感じやすいということです。
逆に、用途によっては別タイプを選んだほうがよいケースもあります。
ここでは、実際に使った印象から、どんな人に向いているのか/向かないのかを整理します。
リュック型クーラーバッグが向いている人
まず、向いているのは買い出しが多い人。
スーパーで肉、野菜、飲み物などをまとめて買うと、袋が複数になったり、片手だけ疲れたりしますが、リュック型だと背中で重さを受け止めてくれるので圧倒的にラクになります。
特に坂の多い地域や、徒歩で買い物に行く人には相性が抜群です。
家族でのレジャーが多い人にも便利です。
ピクニック、運動会、キャンプなど、飲み物や食べ物をまとめて持ち運ぶ場面では、20Lの容量がちょうどよく、手が空くことで子どもの手を引いたり、荷物を持ったりしやすくなります。
「両手が空く」というのは想像以上にストレスを減らしてくれます。
アウトドア初心者にも向いています。
扱いが簡単で、手入れもサッと拭くだけで済むので、ハードクーラーのようなゴツい道具を揃える必要がありません。
荷物を増やしたくない人、まずは気軽に使えるものが欲しい人にはぴったりです。
リュック型クーラーバッグが向いていない人
反対に、向いていないのは「保冷力を最優先する人」。
真夏の炎天下で長時間食材をキンキンに冷やし続けたい、釣りで朝から夕方まで冷凍餌を維持したい、といったシーンでは、ハードクーラーが向いています。
このバッグは“数時間〜半日レベルで安全に運ぶ”用途に最適化されています。
また、重い荷物を長距離背負いたい人や、登山のようなシチュエーションで使いたい人にも不向きです。
肩紐は普段使いには十分ですが、本格的な山登り用ほどのクッション性はありません。
そして、小さめのバッグを好む人にはやや大きく感じるかもしれません。
深さがあるぶん、荷物が底に集まりやすいので、頻繁に細かいものを出し入れする用途には向かない場面があります。
まとめると、「買い出し」「レジャー」「日常的な使いやすさ」を重視する人とは、とても相性の良いバッグです。
逆に、極端な環境や専門的な使い方をする人には、別タイプのクーラーバッグが適しています。

他のクーラーバッグとの比較
クーラーバッグといっても、形や用途はさまざま。
- トート型
- ソフトクーラー
- ハードクーラー
など、他のタイプと比べてみると、このリュック型が“どこに強みを持っているのか”がよりクリアになります。
トート型との比較

まず、もっとも一般的な トート型の保冷バッグ と比べると、圧倒的な違いは「両手が空くこと」。
トート型は片手が塞がりやすく、重くなると腕に負荷が集中します。買い出しで冷凍食品や飲み物を詰め込むと、手への負担が地味に効いてきます。その点、このリュック型は背中全体で荷重を受け止めてくれるため、体感の疲れが段違いでした。容量も20Lあるので、トート型では入りきらない量も持ち運びやすいです。
ソフトクーラーとの比較
![]()
次に、キャンプ用として定番の ソフトクーラー(ボックス型)。
こちらは保冷力が高く、形がしっかりしているのでスタッキングしやすいのが魅力ですが、その反面、持ち運びは“片手”が基本で、荷物が多い日は煩わしさがあります。
買い物で毎日使うには少し大げさです。このバッグは保冷力は中堅レベルながら、日常使いの機動性が圧倒的に優秀です。
ハードクーラーとの比較

そして、最も保冷力が高い ハードクーラー と比べると、用途がまったく違います。
ハードクーラーは真夏の釣りやキャンプで1日保冷したい人向けで、重量もかさばり買い物には不向き。
もし“ガッチリ冷やしたい”という目的がメインならハードクーラーが適任です。
ただ、このバッグは「普段の買い出し」「数時間の外出」「レジャーの移動」のようなライト〜ミドル用途にちょうどよく、汎用性は圧倒的に上です。
価格面で比較すると、20L前後のクーラーバッグは3,500〜6,000円のものが多く、2,890円という価格帯はかなり手頃。
安い製品だと生地が薄かったり、ジッパーが弱かったりしますが、このバッグは価格以上の質感を保っています。コスパ重視のユーザーには十分魅力的な選択肢です。
総合的に見ると、日常とアウトドアをバランスよくカバーしたい人にとって、このリュック型クーラーバッグは「最も使い回しの効くポジション」にいます。特に、歩く距離が長い人、買い物の頻度が高い人にとっては、他のタイプより明確に“楽”な存在です。
総評・まとめ

実際に使ってみて、「この値段でここまで実用的なら十分アリだな」というのが率直な結論でした。
20Lという余裕のある容量、背負えることで両手が空く快適さ、扱いやすい素材、そして日常〜レジャーまで幅広く活躍する汎用性。
このあたりは使うほどに良さが実感でき、買い出しが多い人ほどメリットを感じやすいはずです。
特に好印象だったのは、リュック型ならではの“疲れにくさ”。これまでの保冷トートバッグだと、重い買い物をした日は腕や指が痛くなりがちでしたが、このバッグは背中と肩全体で重さを分散してくれるため、体の負担が圧倒的に軽くなりました。
「保冷バッグを背負う」という仕組みそのものが、日常のストレスをひとつ減らしてくれる感覚があります。
収納力も申し分なく、買い出しなら家族分の食材をしっかり収納できますし、レジャー用途でも飲み物やお菓子、弁当をまとめて運べます。
ポケット類が多いのも地味に便利で、保冷剤やカトラリーなどを整理して持ち運べるおかげで、バッグの中が散らかりにくいのも良いところです。
もちろん、デメリットもゼロではありません。
色がグレーのみで汚れがやや目立ちやすいことや、長時間の重い荷物では肩の負担が少し出る点は注意しておきたい部分です。
また、真夏の炎天下で長時間放置するような用途では、ハードクーラーほどの保冷力は期待できません。
それでも、日常の買い出しや半日程度の外出では必要十分。
むしろ、この価格帯でここまでバランスよく作られているバッグはそう多くありません。
“普段使いでラクしたい”“両手を空けたい”“買い物の荷物をまとめて運びたい” という人なら、満足度の高い選択になるはずです。
総括すると、2,890円という価格以上の価値を十分に感じられる、コスパの良いクーラーバッグ。
初めてのクーラーバッグとしても、今ある保冷バッグの“アップグレード”としてもおすすめできる一品でした。
