人は疲れてくると、派手な刺激よりも、“やさしい物語” を求め始めるときがあります。
そんなタイミングで出会うと、胸の奥がじんわり温まる——
noteで連載されているオリジナル漫画 『いずっち』 は、まさにそんな作品でした。
最初はかわいいイラストに惹かれて軽い気持ちで読み始めたのですが、気づいたら「なんだこの心の回復力の高さは…?」と驚いていました。
都会で擦り減った人に必要なのは“癒し”じゃなくて、“余白”かもしれない
『いずっち』を読んでまず感じるのは、「物語にも人にも余白がある」 という心地よさです。
主人公はいずっち。
元警察官であり、悩みや傷を抱えたまま生きてきた青年が、ある日なぜか イタチの妖精 になってしまう。
この設定だけ聞くとコミカルですが、作品全体には“軽さの中の深さ”があります。
いずっちの過去は決して軽くないのに、漫画はそれを押しつけがましく描かない。ただ静かに、読者が気づける距離に置いてくれる。
この “語らなさ” の上手さ が、逆に読んでいる側の心を丁寧にほどいていきます。
伊豆大島という舞台が、いずっちの“第二の人生”を優しく支えている

この漫画の最大の魅力は、伊豆大島という場所がただの背景じゃない というところ。
- 海の青さ、風の強さ、富士山のライン
- 夕日のグラデーション、裏砂漠の不思議な静寂
- 切通しの神秘的な光
それらすべてが、主人公の心の状態と寄り添うように描かれています。
たとえばスマホの電波が入らなくて絶望している場面。
普通ならギャグで終わりそうなシーンなのに、海の前に座り込んだ瞬間、“波の音がレコードみたいに心に染みていく” と表現されている。
不便すら、癒しになる。島に住んだ人にしかわからない感覚が、とても自然に伝わってきます。
いずっちの視線が、「見えなかった景色」を見せてくれる

いずっちというキャラクターは、派手な主人公ではありません。
むしろ少し不器用で、ちょっと繊細で、どこにでもいそうな青年の“変身後”の姿。
だからこそ、島の景色を見つめる彼の目線がすっと胸に届きます。
- 海の大きさに驚く
- 夕日に素直に感動する
- 地元の人の優しさに照れながら喜ぶ
- 美味しいご飯に目を輝かせる
- 自然の中で心が軽くなる瞬間にハッとする
特別な体験じゃなくて、ひとつひとつが“普通の幸せ”。
その“普通”をひとつずつ拾い上げて、丁寧に物語として描いてくれるのが、この漫画の魅力です。
「生きづらさ」を抱えていた主人公が、島の中で少しずつ呼吸を取り戻していく

いずっちは、ずっと生きづらさを抱えていました。
仕事でも、子どもの頃でも、常にどこかで頑張りすぎていた。
そんな彼が、伊豆大島の自然の中でふと気づくんです。
「大自然の中だと、生きづらさを感じにくいのかも…?」
このセリフは、軽く読み飛ばせるようで、実はとても大きなテーマです。
頑張ることに慣れてしまった人が、ようやく“自分のペースに戻れる場所”に出会った瞬間。
読者である自分まで「ちょっと肩の力抜いてみようかな」と思える言葉でした。
4話まで読んだ時の、あの静かな余韻が忘れられない
たった4話なのに、読み終わったあとに残るものが大きい。重くないのに、軽くもない。
ただ、心がじんわり温かくなる。
- 「島に行ってみたいな」
- 「自然のある場所で深呼吸したいな」
- 「もう少し自分を大切にしてあげようかな」
そんな気持ちが自然とわいてきます。
漫画というより、“小さなセラピー” と言ったほうが近いかもしれません。
漫画はこちらで読めます
noteで漫画を発信中!
👉 note『いずっち』シリーズ
https://note.com/oshimabase
4話だけなのでサッと読めますが、思った以上に心に残ります。
島での活動や裏側はこちら(Instagram)
いずっちさんは、Instagramでの発信もしています!

👉 Instagram(@oshimabase)
https://www.instagram.com/oshimabase/
漫画では描かれていない日常や、リアルな地域活動を見ることができます。
◆まとめ:すり減った心に、そっと手を当ててくれる物語。
『いずっち』は、派手な展開も、壮大なストーリーもありません。だけど、読んだあとの気持ちが驚くほど軽い。
- 自然の力
- 人のあたたかさ
- 素朴な食文化
- 主人公の優しい目線
これらが重なって、読者の心にじわっと染み込んできます。
「最近しんどいな…」「ちょっと息抜きしたい」
そんなタイミングの人ほど、この漫画は刺さります。
ぜひ1話から読んでみてください。島の風が、あなたにもそっと吹いてきますから。
