かがみの孤城で作者が伝えたいことを解説!よくわからないシーンが多い?

本屋大賞にも選ばれた『かがみの孤城』は幅広い世代で人気の小説です。

私も小説を読んだのですが、不登校になった子どもたちが一つの場所に集まり、それぞれの苦悩について知ると、胸が締め付けられる思いになりました。

しかし、『かがみの孤城』ではよくわからないシーンも多く、読者に疑問を残してしまう部分もあります。

作者がこの小説を通して、伝えたいメッセージは何なのでしょうか?

今回は『かがみの孤城』で作者が伝えたいこと、よくわからないシーンなどについて解説していきます。

シマリス社長
作者が伝えたいことってなんだろう?

かがみの孤城で伝えたいことを考察


『かがみの孤城』を読んでみて、作者が伝えたいことを考察してみました。

必ず救いはどこかにある

いじめなど、辛い状況にあると、自分は世界から見放された存在なんだ、、、と塞ぎがちになるかと思います。

誰も助けてくれないと卑屈になってしまっても仕方ありません。

しかし、『かがみの孤城』ではそんな辛い状況にある子どもたちに希望を与えているように思いました。

 

ただ、何かしらアクションを起こすことで救いは近づいてきます。

作中でこころは、母親にいじめが怖くて学校に行けないと打ち明けたところ、母親はこころの味方になってくれました。

こころが”打ち明ける”といったアクションを起こしたことで、救いがやってきたのです。

 

救いはあるけど、手を伸ばさなければ決して自分のところにやってこない、、、

このようなことを伝えているようにも感じました。

大きなアクションを起こす必要はなく、些細なことでもアクションを起こすことで状況は変わるのだと思います。

学校は狭いコミュニティ

『かがみの孤城』では、学校にいけなくなった子どもたちが城に集まって、城の中で新しいコミュニティができています。

まだまだ日本は学校に行くのが当たり前という風潮がありますが、実際はそんなことないですよね。

インターネットが普及している現代では、学校の勉強も一人でできますし、コミュニティもネットを使って作ったり所属できたりします。

 

むしろそっちのほうが自らが選択するので、積極性が生まれるのではないでしょうか。

学校というコミュニティはいろんな趣向の人が集まるので、絶対誰かは浮いてしまう存在になってしまう構造です。

学校で浮いたとしても、学校は狭いコミュニティだから、不登校になったとしても罪悪感を持つことはありません。

『かがみの孤城』は「学校以外にも世界には自分を認めてくれる居場所はある」と伝えてくれているのではないでしょうか。

決していじめはなくならない

『かがみの孤城』は”いじめ”がテーマになっているため、いじめの表現が詳細に描かれています。

  • いじめられた当人の繊細な心の動き
  • いじめを看過する担任の先生
  • いじめている人の態度

これらのことを、実際のいじめ現場を描写して、表現していました。

そして、こころのケースでは、本人は100%悪くないのにいじめのターゲットにされています。

このことから、誰もがいじめの対象になりうることを表現しているのではないでしょうか。

また、城の中ではいじめられた苦痛を知っているのにも関わらず、いじめの加害者になるような描写もありました。

人間には誰かをいじめないと気がすまないといったイヤな性質があるのだと感じさせられます。

もちろん、私もいじめが100%なくなればいいのにと願っていますが。

シマリス社長
いじめ、絶対ダメ!

かがみの孤城はよくわからないシーンが多い?

『かがみの孤城』では分かりにくいシーンもありました。

特に理解が難しかったのは城の存在です。

城は、リオンのお姉ちゃんが病院で寝ている時にリオンの願いを叶えてあげたいという気持ちから空想で作った物語が実際に存在する形になった、、、

と解釈することもできます。

オオカミ様がリオンのお姉ちゃんであることから、この可能性は高そうですよね。

このことから、最も濃厚な線は、城が病死したミオが神様に頼んでリオンのために作った学校だったということになると思います。

現実の学校には一度も通ったことがなかったミオがイメージできる「学校」は、晶子先生による個人授業以外にはなかったのでしょうね。

ミオがイメージできる先生は晶子先生以外にはあり得なかったのだと思います。

シマリス社長
城の存在は謎が深いね!

かがみの孤城の作者が残したコメント

『かがみの孤城』の作者、辻村深月さんは作品にどんな思いを込めたのでしょうか。

辻村深月さんが本屋大賞を受賞した時に残したコメントは以下の通りです。

この作品の最初のオビには「あなたを助けたい」という言葉がありました。カバーの絵にある主人公が鏡をのぞき込んで自分に向かって言っているようでもあるし、作者から読者に向けて、ともとれる言葉です。どこかでうつむいている誰かにその顔を上げてもらいたい、そんな思いを込めて書いた本です。

~中略~

登場人物は中学生ですが、読んでいただくと、どの年齢の方にとっても自分の物語だと感じていただけるのではないかと思います。
代表作というのは、いろんな流れやタイミングもあって、自分では決められないものですが、今回の受賞を通じ『かがみの孤城』が自分の代表作になることが、とても幸せです。

『かがみの孤城』には、顔を上げてもらいたいという願いが込められていました。

人生生きていれば、辛いことは必ずあります。

そんな時こそ顔を上げて生きていけるように『かがみの孤城』を読んでみてはいかがでしょうか。

シマリス社長
この作品からは勇気をもらえる!

まとめ:かがみの孤城で伝えたいこと

  • 『かがみの孤城』ではいじめをテーマにしていて、救いがあることを伝えたいのではないかと思う
  • 城の存在がよく分かってないが、リオンのために作った学校だという説が濃厚
  • 作者は、うつむいている誰かに顔を上げてもらいたいという願いを込めていた

以上、『かがみの孤城』で伝えたいことについて解説&考察してきました。ぜひあなたの感想も教えてくださいね!

シマリス社長
一度は読んでみてほしい作品だ!

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