スタジオジブリ長編アニメーション「もののけ姫」本作の主人公であるアシタカ、ヒロインであるサン以外の重要なキャラクターと言っても過言でないのが、犬神達かと思います。
シシ神の森を太古より守り続けてきた犬神達。ここではその犬神について紹介していきます。
もののけ姫の白い犬・犬神の名前は?
本作では3頭の犬神(山犬)が登場します。
真っ白で犬とも狼とも言えない風貌が特徴です。
最年長の犬神・モロの君
3頭の長である一際大きい犬神がモロの君という名前の雌の犬神です。
作中では、人間達にモロと呼ばれています。年齢は300歳となっています。
その年齢に相応しく、身体はゆうに5メートルを超えており、尾は2本生えています。
長生きした猫は、尻尾が2本に分かれるという逸話があります。
モロの君は300年生きていますから、猫同様に尻尾が2本になってもおかしくはないかもしれないですね。
他の二匹の犬神
そして残りの2頭はモロの君の子供達です。
2頭に名前は無く、モロの君にもお前達といつも呼ばれています。
モロの君ほど身体は大きくなく、2〜3mといったところです。
年齢は不明ですが、子供とはいえ、独り立ち出来そうな体格ではあるので、案外100歳くらいいってるかもしれないですね。
犬神のモデルとなった犬種
群馬県 三峯神社
いつも御朱印が複数種類(見開きのものも)あって、迷ってしまいます
五百円ではなく
五百縁と書いてあります社務所のミニチュアダックス🐶も お元気そうでした#神社巡り #神社 #御朱印 #御朱印好きと繋がりたい pic.twitter.com/PwsZEJWCL6
— balsa_u (@west_donbei) June 1, 2021
「山犬」「犬神」と作中では複数の呼び名が登場していますが、実はモロの君のモデルは、犬ではなく、埼玉県にある三峯神社の守り神のオオカミだそうです。
神社には、鳥居の近くに狛犬が居座っているの定説ですが、三峯神社には狛犬ではなくオオカミがいるのです。
このオオカミ、三峯神社の眷属(けんぞく)で、一般に『オイヌサマ』と呼ばれ、信仰されており、ニホンオオカミが神格化した神様だそうです。
眷属とは本来、神の霊力を受けた神のお使いであって、神ではありません。
しかしオオカミは、眷属でありながら神として崇められてもいる珍しい神様でもあるのです。
なぜオオカミがそのような扱いになったかというと、この三峯神社を創建したのは日本武尊(ヤマトタケルノミコト)だったのですが、この地へヤマトタケルを導いたのがなんと白いオオカミだったのです。
そのため、三峰神社では、オオカミが狛犬の代わりに存在しており、さらには、白は神様の色として扱われています。
シシ神の森で悠然と構えるモロの君の姿は、この白いオオカミの神様に相応しいと思われます。
一般的に、オオカミはダークなイメージを持っている方が多いかもしれません。
しかし、オオカミは度々「大神」という漢字で表記され、世界にかけて古代から信仰の対象となり活躍しており、動物界では一番徳の高い神様の遣いとして、多くの神話や伝記にも登場します。
作中における、シシ神の森でのモロの一族の特別感は、上記のような歴史があるからこその描写なのだと思います。
また作中での山犬という呼ばれていますが、山犬の別名は「ニホンオオカミ」を表します。
古来より明治の初めころまで、日本各地に実際に生息していた絶滅種のことで、日本の生態系のトップに君臨していたともいわれています。
シシ神の森の牙として、人間と戦っている犬神一族にピッタリあてはまります。
犬神の能力や正体
犬神であるモロの君の正体は、上述しましたが、シシ神の森の中でも特別な存在であり、古来よりシシ神の森を守護する存在でした。
ただのもののけではなく、人語を理解し、高度な知能と首だけになっても動く事ができる強靭な生命力を持っています。
その恐ろしげな姿から狂暴な印象を人に与えますが、実際はそうではありません。
人間に生贄として捧げられた、赤ん坊のサンを我が子のように育てる子供想いで母性的な性格の持ち主です。
人間を憎んでいますが、アシタカのように森に対して敬意を払う人間には、心を開き接しようとしています。
つまり犬神であるモロの君は、人間と森の共存を望んでおり、無差別に人間を憎んでいるわけではなく、森に敬意を表せば、牙を剥くことはないわけです。
だからこそ、人工的に森を伐採するエボシを殺そうと戦っているのです。
まとめ:もののけ姫の白い犬について
- 犬神は3匹いて最年長はモロの君という
- 犬神のモデルになったのは三峯神社の守り神のオオカミ
- 犬神はシシガミの森を守護する存在
シシ神の森の守り神である犬神一族は、自身の正義を貫くために、無差別に人間に牙を剥き出している存在ではなく、人間の言い分に対しても聞く耳を持つ心の広い存在でした。
他者への理解の心があるからこそ、シシ神の森の中でも特別な存在として扱われているのかもしれません。