ジブリ作品『風の谷のナウシカ』で、ナウシカの敵役ながら、ナウシカと並ぶ人気を誇るクシャナ。
美しい顔立ちに加え、リーダーシップもあるクシャナという女性に憧れる人が多いようです。
今回は『風の谷のナウシカ』の映画と原作漫画を参考にしながら、クシャナの最後や腕がない状態で鎧が動いていた理由について考察していきたいと思います。
風の谷のナウシカ|クシャナとは
クシャナは、トルメキア王国の女帝であり、巨神兵とを手に入れるためにペジテ市を襲った後、「風の谷」(主人公のナウシカが暮らす国)を侵略しにやってきました。
巨神兵を使って、腐海や蟲たちを焼き払う計画を立てていたのです。
若くして軍の指揮を取っているという点がまさにジャンヌ・ダルクを彷彿とさせますよね。
美人なクシャナですが、性格は短気。
ナウシカの父親の命を奪ったり、ナウシカを人質にしたりと、映画に登場するクシャナは、ナウシカにとっては、悪役的な存在です。
そんな、一見ナウシカとは正反対で冷たい人物に見えるクシャナ。
しかし、クシャナには兄弟に命を奪われそうになった経験や、腐海の蟲に体を蝕まれたトラウマがあり、そんな壮絶な過去が彼女の性格を形成したと推測されます。
そんなクシャナが目指すのは、人々の生活が腐海におびやかされない世界。
心にも体にも傷を負っているクシャナだからこそ、平和を願う心が人一倍強く、理想とする世界を作るために、ときに冷徹な判断をしてしまうのです。
風の谷のナウシカ|原作ではクシャナの最後はどうなる?
原作に登場するクシャナは、アニメ映画のクシャナとは大いに印象が違います。
アニメ映画のクシャナは、ルックスは美しいですが、残忍な部分を持ち合わせているため、ある意味、嫌われ役です。
しかし、原作のクシャナはナウシカにとっては味方側の存在として描かれているため、人情味があり、カッコいい部分が際立っており、まさに女性が憧れる女性と言った印象です。
クシャナは、シュワという都市で、ナウシカと合流します。
そこにはクシャナの父も来ていたのですが、墓所の破壊とともに、命を失くしてしまいました。
クシャナの父は、死の間際にトルメキアの王位をクシャナに譲ると言い残しました。
しかし、クシャナは王位につくことはありませんでした。
生涯ずっと、代王の地位にとどまり続けたのです。
そうして、クシャナ以降のトルメキアは、王が不在の国へとなりました。
風の谷のナウシカ|クシャナは腕がないのに鎧が動くのはなぜ?
【風の谷のナウシカ】ナウシカとクシャナ。王族の姫君という同じ立場ながら対照的なこの二人。ところが「NAUSICAA(ギリシャ表記)」を組み替えると?「CUSIANAA」クシャナ!わざとアナグラムにしてる。ジブリは奥が深い。 pic.twitter.com/gcunMaQVds
— ジブリの雑学集 (@giddayjp005) November 11, 2014
アニメ映画『風の谷のナウシカ』に登場するクシャナの体は、普段はマントに隠れています。
マントの下は重厚な鎧で指先まで覆われているのですが、その鎧を脱いだシーンでも、クシャナの左腕と足は、黄金色の鎧になっていました。
つまり、クシャナは、左手首から指先までの部分が無いということで、義手なのです。
クシャナが指先部分を動かしているシーンはなく、左手で物を持つような場面は描かれていません。
しかし、左腕全体を動かすシーンは存在します。
ですから、クシャナが失っているのは、左手の手首部分のみ、もしくは左腕のひじのあたりまでのパーツではないかと予測されます。
『風の谷のナウシカ』の世界は、約1000年前の世界です。
失った腕に取り付けた鎧を自在に動かすことができるような高度な技術はなかったはずです。
クシャナの腕の鎧は、防御力は兼ね備えていますが、あくまで見た目をカバーするための役割を果たしているだけでしょう。
鎧に特別な仕掛けはないと、考えられます。
まとめ:風の谷のナウシカのクシャナについて
- クシャナはトルメキア帝国の女帝
- クシャナは結局、王位にはつけなかった
- 鎧の状態で左腕を動かせたのは、完全に腕を失ったわけではなかったからだと推測できる
今回は、『風の谷のナウシカ』のもう一人のヒロイン・クシャナについて、まとめました。
ナウシカ目線で見ている視聴者にとっては憎き存在ですが、部下からは厚い信頼を寄せられています。
自ら戦場に立ち、何事にも冷静に対処する姿がカッコいいですね。
しかし、強い女性である一方で、悲しい過去や身体に傷も負っているクシャナは、ナウシカよりも興味深い存在かもしれません。