漫画「ULTRAMAN」に登場するベムラーは、アニメ版のベムラーとは異なります。
漫画版の「ULTRAMAN」は、原作にあたる特撮ドラマ「ウルトラマン」の直接的な続編ではなく、ストーリーも異なっています。
漫画版のベムラーは、宇宙から来た異星人が生み出した人工的な怪獣です。外見は、翼竜のような姿をしており、全身が黒く、複数の眼を持っています。ベムラーは、その強靭な肉体と翼を使って空を飛び、強力な光線を放つことができます。
漫画「ULTRAMAN」では、主人公であるシンジロウ・ハヤタが、ウルトラマンの力を手に入れてベムラーと戦います。物語は、シンジロウがウルトラマンとして成長していく様子や、ベムラーとの戦いが描かれています。
今回はベムラーに着目してベムラーの正体や死亡説について考察してまいります。
ベムラー死亡!ULTRAMANのキーパーソンの最期に迫る
ULTRAMANにおけるベムラー。それは当初主人公である早田進次郎を攻撃し、かと思えば過去において北斗星司を救ったり、後には作中ウルトラマン達の危機に現れて彼等に味方するという謎の登場人物です。
その彼は現在、ゼットンコアの一員、テンペラー卿に倒され死亡したとされている状態です。
ここではそのベムラーについて考察してみましょう。
正体不明の謎キャラクター、ULTRAMANベムラーの本名とは?
そもそもベムラーという名は、TVドラマ初代「ウルトラマン」における「はじまりの存在」でした。「宇宙の墓場」へ護送中に脱走した怪獣、それがベムラーです。
ウルトラマンはそれを追い、地球へやってきました。ところがその途中、パトロール中の科学特捜隊のビートルに衝突!搭乗していたハヤタ隊員を死なせてしまったのです。 この一人の地球人の死を申し訳なく思った彼は、自分の命をハヤタと共に使うことにします。
それが「ウルトラマン」という物語、地球におけるウルトラマンの活躍の始まりだったのです。 ベムラーを倒したウルトラマンは多数の怪獣から地球を守ってきました。
ですが次から次へとやってくる者達、ついには怪獣ゼットンとの戦いで力尽きました。この時怪獣ゼットンは地球人の力によって倒されました。 役目を終えたウルトラマンは迎えに来たゾフィーによってもう一つの命をもらい、ハヤタ隊員と分離して光の国へと戻っていきました。
ULTRAMANはその世界線上にある物語です。
分離したハヤタ/早田進は、長いこと自分がウルトラマンと同一化していた記憶を忘れていました。思い出したのは二十年後のことです。
防衛大臣時代、自分と息子の進次郎に超人的な力が備わっていることから、過去と周囲に疑問を抱いていました。 もっとも、自分の力については分離後すぐに気付いた様です。
それだけなら自分の中だけの秘密にしておいたかもしれません。ですが、息子の進次郎にもその力が受け継がれていました。早田進は自分の力に関する疑問を、過去の仲間であるイデ隊員/井出にぶつけます。
するとその時、ウルトラマンと一体化していた当時の記憶がよみがえりました。井出達、科学特捜隊の仲間達は、彼の正体を知りつつ見守っていたのです。一方で彼らは星団評議会との関わりを持ち、ウルトラマンスーツの開発を進めてきました。
後に早田進は共にスペシウム光線を放ったベムラーに対し、「君だったのか」と言います。そう、自身を「はじまりの者ベムラー」と名乗った者は、早田進にとって、かつて一体化していた最も親しい相手、光の巨人ウルトラマンだったのです。「ベムラー」とは、ウルトラマンが地球に関わるきっかけー始まりの存在としての記号とも言えます。
新たなウルトラマン達を動き出させるために、彼はあえてその名を使ったのではないでしょうか。なお、当時単行本派だった筆者は、共闘する70話の収録されている巻の表紙に描かれたウルトラマンのシルエットにぞくぞくしたものです。
次世代にメカニックなスーツを着せるという形のものが延々続くのかな、と少々間延びしていた気分の時期に「いやそれだけじゃないぞ」と発破をかけられた様な気分になりました。
ULTRAMANベムラーの死因を徹底解析!さらに明かされる正体の真実
さて、このベムラー/ウルトラマンが、テンペラー卿によって倒されてしまうという事態に、大勢の読者も驚いたと思われます。
筆者も驚きました。あまりにあっけなさすぎるのではないか、と。
かつて倒してきた怪獣達と、テンペラー卿の力では違い過ぎていたのです。
ですがそこには複雑な背景がありました。 地球の科学特捜隊が協力体制を取っているのは星団評議会です。 ですが、その更に上にはゼットンコアという組織が存在します。
このゼットンコアは宇宙の秩序を守るためには手段を選びません。 彼らの目指す世界のためには、独自の正義感で活動をしていた光の国のウルトラ族は無視できない存在でした。
そのため彼らは光の国、ウルトラ族を虐殺してしまったのです。 それだけではありません。また彼らを称える星の住人達も壊滅させてしまいます。
ベムラーはその中で生き延びた存在でした。逃げ延びた彼には、既にかつての力はありませんでした。スペシウム光線こそ放てはしますが、ヤプール星人製のスーツを纏わなくては戦闘ができない程弱っていたと考えられます。
現在、彼の遺体? は科学特捜隊に運ばれています。ところがその体から突然光が溢れ、中からベータカプセルが出現しました。ベータカプセルはかつて、ハヤタ隊員がウルトラマンに変身するために使われたツールです。
右手で握り、真っ直ぐ掲げる変身シーンは知っている方も多いでしょう。
もっともその昔、カレーライスを食べていた時のスプーンを間違えて挙げてしまった場面には苦笑させられましたが……
ベータカプセル、それはかつて二人が一体化していた時には、手の中に無いと決して変身ができなかったものです。幾度も無くしそうになり、変身できない危機に陥ったこともあります。
もしかしたらベータカプセル自体がウルトラマンの実体なのかもしれません。
だとしたら、最近の連載において、カプセルが光り出したこと、進次郎が新たな進化を遂げたことは繋がってくるのではないでしょうか。
まとめ ベムラーの死は新たなウルトラマンの誕生につながるのか?
- ULTRAMANにおいてベムラーという名は始まりの存在を示す記号である
- その正体はかつて地球を守った光の巨人ウルトラマンだった
- しかし現在、その力はゼットンコアとの戦いで衰え、一星人との戦いで倒されてしまう程になってしまっていた
- 残されたベータカプセルと進次郎の変化に関係があるかもしれない
ベムラーは進次郎達をかばう形で死亡―もしくは機能停止の状態になりました。ですが彼のまとっていたスーツから発見されたベータカプセルはまだその力を残しています。それは進次郎が新たなスーツを呼び寄せた心の変化 ……「光」と早田進の呼んだものと呼応しているかの様にも思えます。
「はじまりの者ベムラー」は死んだのかもしれません。しかしそれは、新たな、そして真のウルトラマンとしての進次郎としての誕生につながるものではないでしょうか。 次回以降を期待して待つことにしましょう。