AIの遺電子の完結は打ち切りが理由?作者の海賊版サイトへの見解についても

人気SF漫画「AIの遺電子」は5巻で完結しております。文化庁メディア芸術祭で優秀賞を受賞するほどの傑作品なので「5巻で終わるなんて早すぎない?」「何か編集と揉めたのかな?」と思ってしまうのも無理ありません。なぜ5巻という短さで完結してしまったのでしょうか?

今回は「AIの遺電子」が完結したのは打ち切りになったからなのかどうかや作者の山田胡瓜さんが語る漫画業界の在り方について深掘りしていきたいと思います。

シマリス社長
なんで5巻で終わっちゃったんだろう~

AIの遺電子が完結したのは打ち切りになったから?


「AIの遺電子」で完結した理由として、打ち切りだったり、編集者と揉めただったりというのは考えにくいです。

なぜなら、「AIの遺電子」が完結した後は続編の「AIの遺電子 RED QUWEEN」の連載が開始していますから。

「AIの遺電子」が完結したのは2017年の8月で、「AIの遺電子 RED QUWENN」が連載開始したのは2017年10月と間は2ヶ月しか空いていません。

もし、打ち切りだったら続編を描くことすらしないでしょうし、編集者と揉めたのだったら続編を同じ出版社で連載するはずがないでしょう。

こういったことから、AIの遺電子が完結したのは打ち切りになったからという理由は考えにくいのです。

では、なぜ5巻で完結してしまったのでしょうか。

私が思うに面白すぎたからが答えだと思います。

というのも、「AIの遺電子」は1話完結もので物語の濃淡を強調するのに限界がありました。でも、内容や設定がとても面白いので、もっとクオリティの高いものに仕上げたいという関係者の想いがあったのではないでしょうか。

そこで、一旦完結させて、続編という形で「AIの遺電子 RED QUWEEN」を一連のストーリー続きの連載をスタートさせたのだと思います。

一話完結よりもストーリー続きになったほうが、読者としては胸が躍りますからね。

その証拠に続編に切り替わるタイミングで週刊誌から月刊誌に変わっています。

より作りこまれたストーリーを描くためにも月刊にしたことが想像できますね。

シマリス社長
ある意味、再スタートさせるための完結だったわけだね!

AIの遺電子の作者が語る海賊版サイトに対しての見解

「AIの遺電子」シリーズの作者・山田胡瓜さんはIT系の記者だったという異色の経歴の持ち主です。

ネットリテラシーは人よりも長けていることが予想されますが、近年、よく話題にも上がる海賊版サイトにはどういった意見をお持ちなのでしょうか。

過去のインタビュー記事ではこのように述べていました。

だから海賊版サイトは当然良くないんですが、そこで読んでいる人たちに対するネガティブキャンペーンというか、「ユーザー叩き」みたいなのは、あまりすべきではないと思っています。

こういう(公式な権利者側にもっと良いものを用意してほしいという)問題って過去に何度もありましたよね。電子書籍の自炊のときもそうだったし、音楽とか、最近だとチケットの転売問題なんかも。「モラルを考えて!」とか言うけど、そういう人たちのニーズに全然応えてきていない、っていうのがあるわけじゃないですか。

引用:ねとらぼアンサー

当たり前のことですが、海賊版サイトは良くないと明言していました。

それに加え、海賊版サイトを利用しているユーザーを叩く風潮もすべきではないとも言っています。

こういう違法ツールやプラットフォームを利用する人に対して「モラルを考えて」と主張する人もいるのですが、利用せざるをえない状況を作り出していることこそが問題ということですね。

言い換えると、正規サービスがユーザーのニーズに応えきれていないということです。

海賊版サイトが横行したことで、日本の漫画業界に対して新たな警鐘を鳴らしているとも捉えられますね。

シマリス社長
海賊版サイトはダメだけど、問題が起こったことでニーズが見えてきたということだね!

AIの遺電子作者が語る漫画業界の理想の在り方

さて、山田胡瓜さんは漫画業界はどうあるべきかというところまで考えていた発言がありました。

海賊版サイトの存在は、そういう中でもっと全社横断的なサービスが必要なんだという、1つのシグナルなんだと思います。

出版社に……できるのかな。可能性があるとしたら、出版社連合か、ニコニコか、赤松健さんがやっているマンガ図書館Zか。


雑誌離れがどんどん進むなかで、今の時代、「届く」プラットフォームってどこかなって考えると、TwitterとかYouTubeとかAmazonなんじゃないかって。

だから今、漫画家が自分でつぶやいたり、自分自身の影響力で広げていって、本来作品を買ってくれるような人に届けようとするのは、自然なことなんじゃないでしょうか。


定額制だと他社サービスへの乗り換えも気軽にできますよね。(買い切り型のような)「今までためてきた資産」っていう考え方が変わるから、さっき話した「サービスの存続性」みたいなことも考えなくてよくなります。


引用:ねとラボ

山田胡瓜さんの発言からは以下のことを漫画業界に取り入れるべきだと話していました。

  • 全社横断的なサービスが必要
  • 漫画家自身が作品の魅力を伝えていく発信活動が必要
  • 定額制サービスだとユーザーが気軽に利用できる

この発言は2018年にされたものなのですが、今は全社横断可能なサービスとして、ebookjapanやAmebaマンガ、DMMブックスなどサービスが充実していますね。

最近の漫画家だとTwitterで発信していることも多いですし、自身のYoutubeチャンネルを持っていて動画投稿している人もいます。

最近アニメ化したマイホームヒーローの原作者、山川直樹さんがYoutubeで動画投稿していました。

さらに山田胡瓜さんは定額制サービスだと気軽に乗り換えもできてユーザーが使いやすいとも話しているのですが、今現在、有名どころの漫画が読める定額制サービスは下記のようなものがあります。

  • コミックシーモア
  • Renta
  • Kindle Unlimited
  • BOOKWALKER
  • スキマ
  • ブック放題
  • 漫画図書館Z
  • まんが王国
  • めちゃコミック
  • ブックパス
  • BookLive
  • Amebaマンガ
  • prime reading

実際、私もこれらのサービスを利用したことがあるのですが、読みたい漫画が読めないことが多かったです。

読み放題になっている作品はだいたいマイナーか古い漫画で、新しい作品や話題作は読み放題の対象になっていません。

なので、もしこれから定額制で話題作が読める読み放題サービスが出てきたら電子書籍市場を独占できるでしょうね(笑)

シマリス社長
定額制で話題作が読み放題のサービスが出てきてほしい!

まとめ:AIの遺電子が完結したのは面白かったから

  • AIの遺電子が5巻完結したのは続編ストーリーを連載させたかったからという理由が濃厚
  • 海賊版サイトはあってはいけないが、利用ユーザーを叩く風潮もよくない
  • 定額制で読み放題のサービスがあったら、ユーザーのニーズに応えられる

AIの遺電子が完結した理由、そして、山田胡瓜さんの海賊版サイトへの見解や漫画業界の在り方ついての主張を紹介してきました。

山田胡瓜さんの思考は深いので、作品にもその思慮深さが含まれています。ぜひAIの遺電子を読んで新たな見解をアップデートしてみてはいかがでしょうか。

シマリス社長
山田胡瓜さんすごい!

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