長寿アニメ『忍たま乱太郎』は数十年にわたって多くの視聴者に愛されてきました。
子ども向けのアニメですが、大人になってから再度ハマり出す人も少なくありません。
なぜ、『忍たま乱太郎』はこんなにも人気なのでしょうか?
今回は『忍たま乱太郎』の人気が出た理由や腐女子に人気の理由などについて掘り下げて解説していきます。
忍たま乱太郎はなぜ人気が出たのか?
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『忍たま乱太郎』の人気が出た理由について考察していきます。
大人のがハマりやすい楽しさがある
『忍たま乱太郎』の人気の一因は、子供や家族向けの視聴者だけでなく、大人が再び魅了される「再入学」するファンが多い点にあります。
大人になってから見ることで改めて楽しめる要因は、作品全体に散りばめられた、大人の視点から見ると新たに気づく面白さにあるからではないでしょうか。
例えば、本作の豪華なキャスト陣は驚くべきものです。
初めて『忍たま乱太郎』に触れた頃は、声優という存在について全く知らなかった人もいたでしょう。
しかし、当時子どもだった視聴者が大人になり、有名声優を知るようになり、好きな声優ができた後で本作のクレジットを再度見ると、乱太郎たちを含む豪華なキャスト陣に驚かされたという経験をした人も少なくないことが予想されます。
経験と共に、様々な作品に触れた後で見ることで気づくこの発見は、『忍たま乱太郎』を単なる懐かしい作品ではなく、再び探求したくなる作品として、大きな興味を引き起こすきっかけとなるのです。
多様なキャラクターと練り込まれた関係性
次に『忍たま乱太郎』の理由として挙げられるのは、多様なキャラクターとその間の関係性です。
キャスト陣と同様に、改めて見た時に驚かされるのは、本作の多様なキャラクターです。
一年生たちはもちろんのこと、同学年の他の組や先輩、職員、そして学園外のキャラクターたちが登場します。
今までドクタケ、兵庫水軍、タソガレドキ、風魔流忍術学校関係者など、多くの個性豊かなキャラクターが登場してきました。
さらに、それぞれのキャラクターが委員会や同室、親族や敵対関係などさまざまな関係を持っており、その関係に応じて様々な面を見せてくれます。
例えば、四年生の平滝夜叉丸は、乱太郎たちにも知られる自己中心的な一面を持っていますが、体育委員会では後輩たちをフォローする面倒見の良さがあったりするのも魅力的ですね。
ストーリーを楽しむだけでなく、キャラクターやその関係性に気付くことで、大人になって再びハマるきっかけとなることでしょう。
本格的な忍術と歴史的描写
最後に『忍たま乱太郎』が人気の理由として挙げられるのは、本格的な忍術や歴史描写です。
コメディー要素も含まれていますが、一流の忍者を目指す忍たまたちの物語でもあり、忍術や忍具についての詳細な説明が随所にあります。
さらに、火器や武器、時代背景なども含まれており、日本史を学んだ後で見ると、大人でも興味深い要素が散りばめられているのです。
戦国時代や江戸時代の作品が多い中で、本作が描く室町時代の風俗や忍術の解説など、原作マンガの時代考証を反映した描写もあります。
こうした要素が再評価され、特に2000年代後半以降から大人のファンが急増し、ミュージカル化やドラマCDのリリースなど、新たな展開も生まれました。
そして、再入学する大人たちや新規の視聴者が、いつも変わらず迎えてくれる主題歌「勇気100%」も大きな存在です。
この曲は代替わりしていますが、聴くだけで過去の感覚を呼び覚まし、再入学へのハードルを下げる助けとなっています。
こうした魅力が再発見され、大人のファンも増加していることから、本作は幅広い視聴者に愛されているのです。
忍たま乱太郎が腐女子に人気の理由
今日カフェから忍たま乱太郎みたいなおばあちゃん3人組が出てきて可愛すぎた pic.twitter.com/gB4IxGfawF
— えぬ (@enusiii) May 7, 2024
『忍たま乱太郎』は、腐女子の間でも人気が高い作品です。
最初の頃は登場人物が主に子供たちであり、腐女子の間での注目度はそれほど高くありませんでした。
土井先生や利吉さんなど、一部のイケメンキャラクターは腐女子の心をくすぐる要素を持っていましたが、それほど盛んではなかったのです。
ただし、子供向け番組としての人気は高く、長く続いたため、誰もが一度は見たことのあるアニメとなりました。
作品が長く続く中で、登場人物も増えていき、敵対する城や仲の良い城の殿さまや家来、忍者たち、そして上級生の登場など、多彩なキャラクターが登場しました。
特に上級生たちは個性豊かで、それぞれ得意な武器や変身の技術を持ち、人間関係も豊かです。
また、委員会というグループ分けもあり、人間関係が分かりやすく描かれました。
腐女子はこうしたキャラクターや人間関係に注目し、それを元に妄想を膨らませることがあります。
もともと、腐女子が大好きな要素である、「イケメンキャラ」が多かったことに加えて、長期放送に伴い、キャラ同士の人間関係の設定が盛り込まれたことによって、腐女子の忍たま愛に火がついたのでしょうね!
子供のころから見ていた作品であるため、腐女子向けな要素がなくても、『忍たま乱太郎』は面白く、良い作品だと感じます。
忍たま乱太郎に人気を集めるための制作陣の工夫とは?
#Nowplaying 桜援歌 (Oh! ENKA) – 関ジャニ∞ (忍たま乱太郎 20th アニバーサリーアルバム オープニング & エンディング集) pic.twitter.com/RYbomrIq0o
— 👒VDJ麦わらの大谷 (@VDJ_MUGiTANi) May 10, 2024
『忍たま乱太郎』は長い間、多くのファンに支持されてきましたが、その背後には制作陣の継続的な努力がありました。
その努力について紹介します。
丁寧な時代考証
この作品が幅広い世代に愛される要因の一つは、驚くほど丁寧な時代考証にあります。
この作品はギャグ漫画として知られていますが、実際には多くの資料を参考にして描かれていました。
「子ども向けだからこそ、正確性を欠かさずに描かなければなりません」
と制作スタッフは述べています。
ギャグとしての表現は子供に受け入れられるよう工夫されていますが、誤解を招くような表現は避けられていたのです。
たとえば、作品の舞台は室町時代末期ですが、時代に合わない寛永通宝が登場した際には、再放送で修正されるなど、細かな配慮がなされています。
制作スタッフは
「歴史が大好きなので、資料を調べる過程で面白い発見を伝えたくなります。また、登場人物が資料に触れた場合のリアクションを考えると、ストーリーが自然に展開されます。古典落語やプロ野球の珍プレーなども、当事者が真剣に取り組む姿が笑いを生むことがある。真剣に描かれたストーリーが意図しない方向に展開することで、笑いが生まれると考えています。乱太郎もそのような作品でありたいので、真面目な部分を描くための努力を惜しまない」
と述べていたこともありました。
30年にわたる連載でも、ネタ切れにはなったことがありません。
テーマが決まったら、日常の行事や入浴中でも資料を読むなど、情報を集めるための努力を怠りません。制作スタッフは
「何かをしていないともったいないと感じる時間があります。調べ始めると驚くべき発見があり、それを子供たちに伝えたいことが尽きません」
と述べています。その情報をいつもギャグに落とし込んで表現してきました。
流行には追随しないこともポリシーの一つです。
毎年新たな読者が加わることを前提に、「既知のファン」に向けた表現ではなく、いつも「初めまして」の気持ちを持って制作に取り組んでいます。
いじめや裏切りの描写を避けている
『忍たま乱太郎』が支持される理由の一つは、いじめや裏切りのない理想的な世界を描いていることです。
「明るい気分になるためにギャグ漫画を読むと思う」と制作スタッフは述べていました。
多くの読者から、「落ち込んだときに読むと元気が出る」「乱太郎たちの姿に励まされる」といった手紙が届いているようです。
登場するキャラクターたちは、忍者であろうと敵役であろうと、どこか愛らしい欠点を持っていますよね。作者の尼子騒兵衛先生は
「キャラクターには可笑しみが必要だと思います。ダメな子が不器用に頑張って成長する姿は愛らしいです。乱太郎たちは漫画の中でずっと10歳のままですが、少しずつ成長する部分も描かれています」
と述べています。
『忍たま乱太郎』をきっかけに、水軍やくじらの博物館などを探求する読者も多く、人生レベルで影響を受けた人も少なくありません。
また、キャラクターの名前に地名を使っているため、ファンがその地域を訪れることもあります。
尼子騒兵衛先生は
「笑ってくれることが幸せです。漫画を通じて面白さを伝える手段が私の役割でした。漫画を読んで元気をもらったり励まされたりしてきました。能天気に生きることができたら、どんなに楽しいだろうと思います。人を疑わず、裏切らないことが、乱太郎の世界だと思います」
とも述べていました。
この尼子騒兵衛先生のコメントからでも『忍たま乱太郎』の世界が理想的で愉快な世界を描こうとしていたことが伝わってきますね。
まとめ:忍たま乱太郎が人気になった理由について
- 『忍たま乱太郎』には大人がハマりやすい要素がある
- 実際の史実や忍者の知識も描かれている
- 腐女子が好きなイケメンキャラが多く、人間関係も練り込まれている
以上、『忍たま乱太郎』が人気になった理由について考察してきました。長年愛され続けている理由は制作側の努力があったと知ると感動的ですね。