スタジオジブリ長編アニメーション「もののけ姫」本作の舞台は、シシ神を中心とするもののけ達が住むシシ神の森です。
しかしその森に住むもののけと敵対する人間が住むタタラ場も重要な舞台の1つかと思います。
タタラ場に住まうタタラ集団を率いているのがエボシ御前です。ここでは、そのエボシ御前について紹介していきます。
もののけ姫のエボシ御前は文盲?
結論から申し上げると、エボシ御前は文盲ではなかったと思われます。
ジコ坊から渡された手紙のシーン
エボシ御前はジコ坊から渡された手紙をタタラ場の女達に見せたときに
「お前たちこの手紙がわかるか」
というセリフを言っています。
あのシーンは、天朝様からの手紙だよと見せびらかしているわけではなく、誰か代わりに読んでくれないかという意味があるのではないかと噂になりました。
上述した通り、エボシには身売りされた経歴があり、そのために読み書きを習っていなかった、習う必要がなかったのではないかと思われます。
しかし、エボシはタタラ場のボスです。そしてタタラ場は多くの人間に狙われているともエボシは作中で進言しています。
文盲ではない理由
そんなタタラ場には侍やその他の隣村から多くの手紙が届いているはずです。
それをエボシが読めないからと手をつけずに無下にしていたとは思えません。
手紙をタタラ場の女達に見せていたのは、天朝様からの手紙であろうとここタタラ場では無意味だというのを証明したかっただけだと思います。
さらに木板に筆で何かを書いていたシーンが作中には描写されていました。
以上のことから、タタラ場に住む住人達を守るためにも、周囲の侍や村から舐められないためにもエボシは読み書きが出来ており、文盲だったとは考えにくいかと思います。
エボシ御前のプロフィール
基本プロフィール
彼女は砂鉄から純度の高い鉄を製鉄しているタタラ場で屈強なタタラ集団を統括しており、さらには石火矢衆なる集団を率いて、侍との戦にも身を投じています。
リーダーとしての能力だけでなく、日本刀と千枚通しの二刀流で華麗な剣捌きを振るえる実力も持っており、個人としての実力も折り紙付きです。
加えて、綺麗な顔立であり女性としての魅力も兼ね備えています。女性にとっては憧れのような女性ですね。
身売りされた娘達を買い取り、本来は女人禁制のタタラ場で仕事を与えており、病者をも人として扱う器量の大きさ持ち、タタラ場の人々に敬われかつ慕われています。
健常者だけではなく、障害者にも仕事を与え、男女平等に扱うという今の時代で考えるとタタラ場はホワイト企業のような場所ですね。
売られた娘達を買い取るという行為はエボシ御前の生い立ちに関係していると思われます。
エボシ御前の裏設定とは
エボシ御前は、海外に身売りされたという経歴を持っており、倭寇(=海賊)の頭領に買い取られ、その頭領と結婚しています。
その後、頭領である旦那を殺し、その財産を全て自分のものにし、タタラ場をつくるに至ります。
突拍子もない話ですが、これは宮崎駿氏が、設定したエボシの過去なので確かな事です。
エボシ御前がシシ神を狙う目的
エボシ御前がシシ神を狙う目的には、まずジコ坊との繋がりが関係しています。
エボシ御前は、タタラ場を作るにあたり、森を切り開く必要がありました。
そのための力として、朝廷(天朝=天皇)と主従関係にある師匠連から、石火矢衆を借りていたのです。
そしてジコ坊は、師匠連の1人であり、石火矢衆は元々はジコ坊がエボシ御前に提供していたものだそうです。
ただのオッサンかと思いましたが、結構すごい人だったんですね。
たしかに、アシタカとやり合っていた時も、アシタカは防戦一方でした。
また乙事主から逃げる時も一本歯下駄を履いているとは思えないほどの身のこなしを見せていました。
タタラ場を経営していくにおいて、ジコ坊はエボシ御前にとって必要不可欠な存在であったわけです。
つまり、ジコ坊からの依頼に関しては、それに応じる義理がエボシ御前にあったわけですね。
師匠連に所属していたジコ坊は天朝様からのシシ神殺しの依頼を断れません。
そしてエボシ御前はそのジコ坊の依頼を手伝ったと言えるでしょう。
一方でエボシ御前としては、森に光が入り山犬どもがしずまればここは豊かな国になると作中でも述べていますから、シシ神を殺し、タタラ場をより良くしようと考えていたのかもしれません。
もののけ姫の時代は中世・室町期の日本。 未だ人を寄せ付けない、深い山には人間の言葉を話せる巨大な山犬や神獣たちが住み、聖域を犯す人間たちを襲うので、荒ぶる神々として恐れられていました。 その中でもシシガミ様は、神として神獣たちか[…]
まとめ:もののけ姫のエボシ御前
- エボシ御前は文盲じゃなかった可能性のほうが高い
- エボシ御前は海賊の男と結婚して旦那を殺している
- タタラ場をより良くするためにシシガミを殺す計画を立てた
エボシ御前がどうやってタタラ場を作り上げたのかご理解いただけたかと思います。
大きな仕事を成し遂げている人にはそれなりの経歴(過去)があるんですね。
ちなみに情報ですが、エボシ御前の右腕と思われるゴンザですが、彼も元々はエボシの元旦那の部下で、エボシ御前が旦那殺害後に、付いてきた存在らしいです。
ゴンザの忠誠心はその頃からあるんですね。