『逃げ上手の若君』に登場する吹雪は、物語の初めでは出自が明かされず、謎に包まれたキャラクターでした。
しかし、原作第10巻にてその正体が明かされ、多くの読者を驚かせたのです。そして、吹雪は足利側に寝返ってしまいます。
裏切りキャラの末路といえば死亡するのがテンプレですが、吹雪の場合は脂肪するのでしょうか?
今回の記事では、吹雪が死亡するのか、最後はどうなるのかなどについて掘り下げていきたいと思います!
逃げ上手の若君の吹雪は死亡する?
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『逃げ上手の若君』は南北朝時代を舞台にしており、多くのキャラクターが戦争で命を落としています。
敵味方問わず命を落とすため、吹雪の運命を気にする方も多いでしょう。
そこで、吹雪が最終的にどうなるかを調べました。
吹雪は足利側に寝返り裏切った
吹雪は足利側に寝返り、裏切っています。
原作第106話「父子1335」で、尊氏の後光を受けて高師冬になる場面が描かれていました。
吹雪が寝返った理由は、足利尊氏暗殺計画に関わるもので、時行は偶然、尊氏が楠木邸を訪れる日を知りました。
しかし、尊氏の方が一枚上手で、暗殺計画は失敗に終わります。
その際、吹雪は尊氏の後光を受けて洗脳され、足利方に寝返りました。
史実では観応の擾乱で自害する
史実における吹雪は観応の擾乱で劣勢に立たされ、自害しています。
「関東執事として南朝方を鎮圧したものの、観応の擾乱で劣勢に立たされ自害した」
と記録が残っているのです。
「上杉憲将や諏訪直頼の軍勢に包囲され、翌年1月17日に逃げ切れないと悟って自害した」
という最期を遂げました。
作中でも自害する可能性が高い
吹雪は作中でも最期に自害する可能性が高いとされています。
『逃げ上手の若君』は史実を元にしながらも、キャラクターは漫画独自の視点で描かれる場面もありました。
現時点で自害が確認されているのは諏訪頼重のみであり、これは重要なポイントだと考察する読者もいます。
しかし、『逃げ上手の若君』が史実に沿った展開になるとすれば、吹雪も最期に自害すると考えても不思議じゃありません。
吹雪の裏切りの理由とは?
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吹雪の壮絶な過去が明かされ、時行との絆が再確認される展開は、通常ならば郎党が安定する展開ともいえるでしょう。
吹雪はようやく自分の才能を発揮できる場所を見つけ、時行を支え彼に天下を取り戻させれば満足するはずでした。
しかし、吹雪には「寒さ=どうしようもない餓え」が頭の中に常にあり、それを紛らわすために食事に異常なまでに執着していました。
そこに吹雪の裏切りの真相が隠されていたのです。
裏切りの理由は飢えを満たすことができなかったため
吹雪は常に策を巡らせているため、脳を使うのでカロリーが必要だろうと考えていました。
しかし結局、時行では吹雪の飢えを満たすことはできなかったのです。
力士並みの食事量を求める吹雪は、時行の郎党から離反し、足利側につくことになりました。
この時代にたらふく食べさせてあげることは簡単なことじゃなかったので、時行も苦悩していたのがうかがえますね。
なお、この吹雪の裏切りは、「未来視」を持つ諏訪頼重(すわよりしげ)ですら予見できなかったものでした。
頼重は神力を一時的に失っていた時期に吹雪が加入したため、今回の戦での敗北を悟りました。
足利尊氏との出会い
吹雪が裏切ることになったのは、時行の郎党が京都で尊氏を暗殺しようとした際がきっかけとなっています。
京都で出会った楠木正成との邂逅(かいこう)で、時行は「尊氏が楠木邸を訪れる日時」を偶然知ってしまいました。
郎党は協力して策を講じ、尊氏を一人にすることに成功しましたが、尊氏は人間離れした動きで奇襲を防ぎ、時行らを圧倒しました。
その際、吹雪には尊氏の姿が仏のように見え、暗殺は失敗に終わりました。
仏に見えるほど、吹雪にとって神々しい存在として認識するようになったのでしょうね。
ここが吹雪の裏切りの第一歩となります。
2度目の尊氏を浴びて高師冬となる
吹雪が裏切ることになった決定打は原作第106話「父子1335」です。
戦場で尊氏が強い後光を放ち、諏訪大社の当主である頼重よりも強力な存在として現れました。
尊氏の敵である時行の味方の軍勢は一斉に降伏し、その中に吹雪も含まれていたのです。
尊氏の後光を浴びた瞬間から、吹雪の脳内は混乱し、彼の目的であった「時行を支えて天下を奪還させる」という思いは霧散してしまいました。
高師直は吹雪の様子を見て、「以前にも力を浴びているか、強い餓えがあるか」と判断し、吹雪を「高師冬」として足利のために利用することに決めたのです。
吹雪の最後はどうなる?
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家柄を失った後、時行たちと出会った吹雪は、信頼を失いたくないと考え、足利の郎党だったことを言えずにいました。
しかし、隠し通せるはずもなく、自身の過去と素性を話し、それでも信じてくれた時行に改めて忠誠を誓いました。
そんな吹雪が再登場するか、その後どうなったのか、生きているかを解説します。
吹雪が名前を変えて再登場
吹雪は木製の仮面をつけた状態で、尊氏の重臣である高師直の猶子に成りすまし、高師冬(こうのもろふゆ)として再登場します。
高師冬は、南北朝時代に活躍した武将かつ守護大名です。
高師冬が初陣で死んでも全く動じなかった高師直が、尊氏の神通力に洗脳され彷徨っていた吹雪を見つけ、高師冬を名乗らせました。
読者からは再登場は嬉しいものの、“吹雪”ではなかったのは残念だという声が多くあったのは事実です。
北条時行を襲う
再登場を果たした吹雪は北条時行を襲います。
高師冬となった吹雪を見た雫は、
“もう元には戻れない”
と感じているのが印象的でしたね。
さらに尊氏に洗脳されているとはいえ、かつて支えたいと思っていた時行を襲うという悲しい想いにすらなってしまうシーンです。
木製の仮面が外れた吹雪の顔を見て泣く雫の姿を見ると胸が締め付けられます。
今後も足利尊氏の洗脳が解ける可能性は低い
吹雪にかけられた足利尊氏の洗脳が解ける可能性は低いと考えられます。
尊氏は端整な顔立ちだけでなく、全てにおいて完璧で、その魅了の力は人の心を捕らえて離しません。
尊氏は武力もすごいですが、人心掌握の能力も優れていたのです。
武芸でも策略でも抜きんでた才があった吹雪の離脱は、時行たちにとって相当な痛手だと思われます。
高師冬になった吹雪が、時行たちの想いで尊氏の洗脳が解ける展開を期待したいところです。
最終回・最期の時点では死亡してる可能性が高い
吹雪は最終回で生存する可能性は低いと考察されています。
高師冬になって洗脳が解ける可能性が低いこと、史実と同じストーリー展開なら高師冬として死んでいくのではないかと考えられます。
吹雪にはもう会えないのかと残念がる声も多く、時行と高師冬が敵対するのも読んでいて辛いという意見もありました。
吹雪の正体・過去について
涼やかな目元と冷静な頭脳、そして二刀を自在に操るその武力。吹雪は、時行が持つ戦力の中で最大のものと言えます。
出会いこそお互いを賊だと勘違いして刀を交えましたが、誤解が解けた後は時行の郎党となり、時行を「我が君」と呼ぶようになりました。
吹雪は時行の教師としても非常に優秀で、「鬼心仏刀」「二牙百刃」などの技を授けています。
時行が逃げるのではなく刀を持って戦うことができるようになったのは、吹雪の功績によるところが大きいです。
時行も彼に
「吹雪ならこの士気ダダ下がりの味方をなんとかする策を閃いてくれるよな?(曇りなき眼)」
というナチュラルな無茶ぶりをするほど、非常に頼りにしています。
しかし中先代の乱の最中、はじめて吹雪の口から自分の出自が語られ、その内容に時行は大きく驚きました。
では、そんな吹雪の正体や過去とは?ここからは、詳しく解説していきます。
足利側の下級武士
原作86話「爆走1335」で吹雪は登場します。
のちに「中先代の乱」と呼ばれる、時行が初めて参加した本格的な戦の最中でした。
この回は、関東庇番の今川という馬の人が手の付けられないバーサーカーとなって戦場を蹂躙し、味方の士気が下がっていたところでした(あと時代錯誤のピットインがすごかった)。
そんな状況下でありながら、吹雪は関東庇番・上杉憲顕の投入した「人造武士」と「足利学校」という言葉に激しい動揺を見せ、敵前で隙を見せるという失態を冒します。
尊氏を暗殺しようとしていた時から違和感を覚えていたというゲンバからズバリ、「お前、足利の手の者じゃねーの?」と問われた吹雪。
そこで観念したように、吹雪は
「申し訳ございません我が君。自分はもともと足利方の下級武士の出です」
と語りました。
足利学校の出身者だった
吹雪は足利学校の出身者です。
足利学校とは、作中では上杉憲顕が牛耳る人造武士実験ラボ・忍者育成機関のようになっていますが、まあ足利の戦力を育てるための学校という認識でいいと思います。
そこから脱走するまで吹雪は、間違いなく「足利の為に」刀を振るっていたのです。
ちなみに、吹雪と出会ったエピソードである征蟻党の一員・腐乱も実は足利学校の出身者だったということが明らかになりましたね。
しかし、これらを聞いても時行には何の動揺もありませんでした。
敵方・足利の出身であるということは、これまでの吹雪の功績をなんら損なうものではない、これからも自分に力を貸してほしいと、王の気質を以て吹雪を丸ごと受け入れました。
どれほどの才覚を持っていても、身分の低い下級武士だというだけで、消耗品のように扱われる時代。
時行の言葉は吹雪の胸に深くしみわたり、吹雪は時行に対しその忠誠心を新たにしています。
高師冬(こうのもろふゆ)として再登場する
吹雪という冬を連想させる名前から、実は彼、足利尊氏の庶子(妾の子)「足利直冬」なのでは?と一部読者の間でざわざわされていましたが、106話「父子1335」。
猶子(養子)にしたばかりの高師冬が初陣であっさり戦死し、どうしようかと考えていた高師直に見いだされた吹雪は、「今後はお前が高師冬になれ」と仮面を渡され、それを受け入れます。
要するに、足利に寝返った吹雪。
”冬”という言葉で関連づいた名前となっています。
史実知らない勢はもちろん、史実存じ上げ勢もの度肝を抜いた接続でした。
まあ足利直冬も高師冬も、どっちでも足利勢であるのは一緒なのですが……。
高師冬、史実では政争に巻き込まれ、時行とは無関係の場所で戦死するのですが、作中では死亡するのかも今後、目が話せないポイントとなっています。
幼少期から父親からの過剰な期待がかけられていた
原作86話では、吹雪が時行の郎党となる前のエピソードを知ることができます。
吹雪の文武が時行の郎党の中で群を抜いているのは前述のとおりですが、それを吹雪は「足利学校で学んだもの」と告白しました。
足利の下級武士である吹雪の父親は、自分では出世の目がないと見るや優秀な息子の才能に付け込み、吹雪に虐待という名の鍛錬を課していました。
「今の時代は所詮、家柄が最優先! われらの家柄では並の才では出世できぬ!」→「だから死ぬほど努力しろ!」と、こういう理論で。
昼は足利学校に、夜は父から休まず鍛錬、という虐待を吹雪に課し続けていたのですね。
父親を殺害している
吹雪の服の下には、おびただしい「鍛錬の痕跡」がありました。
跡を見て弧次郎は、「鍛錬というより従順にさせるために痛めつけられた傷だ」と察し、その壮絶さに息をのみます。
令和では児相どころか刑事事件案件ですが、この鎌倉~室町時代、子供の人権は家長である父親に比べて著しく低かったんですよね。助けてくれる人なんていなかったんでしょう。
出世しろ出世しろ、そして父を出世させろと、自分のことしか考えていない父親との過酷な生活にとうとう耐え切れなくなった吹雪は、父親を殺してしまいました。
この時代、父殺しは大罪なのでその事実は隠していたでしょうが、どのみち家柄を失った吹雪はどの大名からも無下にされます。
父の口癖を聞くうちいつの間にか自身の目標となっていた、「天下を支えたい」という欲求をかなえられないまま、吹雪はあちこちを彷徨い続けていました。
そして賊によって大人を全滅させられたあの村で、ようやく吹雪は時行と出会ったのです。
しかし、吹雪は自ら、時行から離反することになりました。
まとめ:逃げ上手の若君の吹雪について
- 吹雪はまだ死亡していないが、史実をもとにすると死亡する可能性は高い
- 吹雪の裏切りは尊氏に対する尊敬と飢えが原因
- 吹雪は父親を殺害した過去がある
以上、『逃げ上手の若君』の吹雪について深堀りしてきました。吹雪は作中でも人気のキャラクターですから、できれば死亡しない展開で物語が進んでくれると嬉しいですね。
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